一般的に小学生は何年生ごろから塾に通っているのでしょうか。
最近ではプログラミング教室や英会話教室などの専門的な教室も増えてきていますので塾の種類も多様化していますし、一方で私立中学や中高一貫校への注目が集まっており年々受験者数が増加しています。
そのなかで小学生のお子さんをもつ親御さんにとっては塾へ通わせるタイミングへの関心は高いですよね。このページでは小学生の通塾率や塾へ通うおすすめの時期、そして塾選びで気を付ける点について解説します。
小学生の通塾率と塾へ通う学年について
それではまず小学生の通塾率を見ていきましょう。文部科学省の平成28年度「子供の学習費調査」を参考に公立・私立における通塾率をまとめてみました。なんと私立に通う小学生では約7割が、公立でも約4割の小学生が塾へ通っています。
※文部科学省 平成28年度「子供の学習費調査」より
小学生が塾へ通う目的とはどういったものがあるのでしょうか。塾へ通う目的として大きく二つあります。一つ目は中学受験のために受験に備えたカリキュラムのある進学塾に通わせるというもの。二つ目は授業内容の補習や学習習慣を身に付けさせるために補習塾へ通わせるといったものになります。
特に高学年になると低学年と比べて授業の難易度が高くなりますので、授業の理解に遅れが出ないようにするために塾に通わせるようです。それでは次に塾の種類を見ていきましょう。
小学校から塾に行くべきか
世の中の傾向を把握しておくことは大切ですが、多数派に合わせるのが最適な選択とは限りません。なぜなら、塾に通わせている人にはそれぞれ目的があるからです。具体的な目的としては、中学受験に向けての対策や小学校の授業の補足などがあります。何のために通うのか検討することで、塾の必要性に対する判断は変わってくるでしょう。特に目的が思い浮かばないのであれば、まだ塾に魅力を感じられないことも多く、その段階で通わせるのが必ずしも適切とはいえません。
たとえば、子どもが小学校の低学年の間は不要だと認識している親もたくさんいます。将来的に中学受験をするにしてもまだ先の話ですし、小学校の授業の難易度もまだ低いので、塾に通わなくても問題ないと感じやすいからです。低学年の間はスポーツ系や芸術系などの習い事を選び、学年が上がるにつれて、状況を見ながら塾に切り替えていく方針の家庭も見受けられます。
学習塾の種類
塾は大きく4つの種類があります。お子さんを塾へ通わせるにはその目的に合った塾を選択する必要がありますのでそれぞれの特徴をみていきましょう。
①進学塾
中学受験に向けた入試などの受験対策を指導してくれる塾を指します。
②補習塾
小学校の授業の補習や定期テスト対策などを指導してくれる塾を指します。
③総合学習塾
受験対策と学校の授業のフォローなどを総合的に指導してくれる塾を指します。
④専門塾
英会話教室やプログラミング教室など科目に特化した塾を指します。
進学塾として難関校の受験対策に特化している塾もあれば、総合学習塾として受験目的も補習目的にも対応している塾があり、塾によって特徴は異なります。
塾に通う目的は?
子どもを塾に通わせる目的は家庭によってさまざまです。塾通いの必要性や開始時期に関して検討する際、どのようなケースがあるのか知っておくと参考になるでしょう。以下に紹介するのは、塾に通う目的のなかで代表的なものです。
中学受験
中学受験を見据えている家庭の場合、塾に通わせるのが一般的となっています。小学校の授業だけなら、家庭内での学習だけで十分に対応できるという人もいるでしょう。しかし、中学受験では、小学校のカリキュラムをこなすだけでは正解できない問題が出されることも多いです。もちろん、志望校の難易度によって変わりますが、親の指導のみに頼った勉強法だと、本番の試験に対応しきれない恐れがあります。また、中学受験は学校や年度によって傾向が違うので、家庭でそこまで考慮して教えるのは簡単ではありません。一方、塾であれば、中学受験の傾向をしっかりと分析したうえで、小学校のカリキュラム以外の内容も指導してくれます。
ただし、周辺に適切な塾がない場合などは、他の手段で中学受験を目指す人もいます。たとえば、家庭教師に教えてもらったり、通信教育を利用したりするケースは珍しくありません。それらを塾と併用するケースもあるなど、立地や学力などの要因によって、具体的な受験対策のスタイルは家庭ごとに異なっています。
勉強の習慣をつける
親が勉強するように言っても、それを聞き入れる子どもばかりではありません。勉強する習慣がないまま大きくなってしまうと、高校受験や大学受験などに影響が出ることもあるでしょう。そのため、小学生のうちから塾に通わせることで、勉強の習慣をつけさせようと考える親もいます。家には、テレビや玩具など、子どもにとって魅力的なものが多いため、なかなか勉強に集中できないことも多いです。塾は学習に特化した環境なので、勉強に打ち込む時間を強制的に作りだせます。ただし、最初からそのような明確な目的を掲げているのではなく、漠然と勉強時間を増やしたいと思って通わせ始めるケースも少なくありません。
いずれにせよ、子どもが嫌がっている場合、無理やり塾に通わせるのは良くない判断です。勉強に苦手意識や嫌悪感を持たせてしまうリスクがあるため、しっかりコミュニケーションをとって、子どもの気持ちを確認しておくことが重要です。
中学の進学準備
中学校に進学すると、どの教科も勉強する範囲が一気に広くなります。小学校との違いに戸惑う子どもも多く、スタートの段階で授業についていけなくなる場合もあるのです。最初にそのような事態になると、なかなか挽回できずに苦労することもあるでしょう。そのリスクを減らすため、中学校に進学する事前準備として、入学が近づくと通わせ始めるケースが多く見られます。しっかりと小学校の復習と中学校の予習をしておけば、つまずきの対策になるだけでなく、1学期の最初のテストから高得点を狙いやすいです。
なお、小学校の復習において重要なのは算数と国語です。中学校の授業は、小学校で習う公式や漢字などは十分に頭に入っているという前提で進んでいきます。他の教科も勉強しておくのに越したことはありませんが、時間が限られているなら、この2教科をメインとして取り組んでおくと効果的です。
小学校の授業の補足
小学校の授業といえども、内容が難しくて困っている子どももいます。授業が分からないと、成績が下がってくるのはもちろんですし、自分に自信を持てない心境にもなりやすいです。デリケートな成長期にそのような状況になるのは良くありません。しかし、授業についていけない子どもがいても、小学校の先生は十分にサポートできない場合があります。多くの生徒がいますし、学校行事の準備などもあるため、一人ひとりの学習進捗まで考慮して対応していくのは難しいからです。それを補う手段としても塾は広く活用されています。
さらに、学習の意欲が向上することも塾に通うメリットの一つです。小学校のクラスとはまた違った集団のなかで勉強することになり、同学年の子どもたちから大いに刺激を受けることになります。競争意識が芽生えて学習面で努力や工夫をするようになると、小学校の授業にもついていきやすくなるでしょう。
塾に通わせる時期は?
塾通いの目的はさまざまなので、「いつから塾に通うべきか」という疑問に対して、万人に共通する正解はありません。ただし、目的を限定した場合は、一般的に好ましいとされているタイミングは存在します。たとえば、中学受験の対策を目的としているなら、3年生の2月から通うのが得策です。なぜなら、たいていの塾は、その頃から中学受験を見据えたカリキュラムを組むからです。少し前から通って、そのカリキュラムが始まるまでに、塾に慣れておくという手もあります。
小学校の授業の補足が目的なら、すぐにでも通わせるのが理想です。一度でもついていけなくなると、次第に遅れが広がっていく恐れがあります。分からないことに慣れてしまって、ついていけないのが当たり前という状態になりかねません。そのようなリスクを回避したいなら、親が家庭学習でフォローすることも大事ですが、遅れが広がる前に塾に通わせたほうが良いでしょう。
まずは塾に通う目的から考えよう
子どもを塾に通わせ始めるタイミングに正解はないため、目的に合わせて考えることが重要です。その目的は、子どもと共有できる内容でなければなりません。たとえば、子どもに中学受験をさせたいなら、子どもに進路の希望を確認することが必要になります。塾に通うかどうか検討する際は、親が自分本位に判断しないように気を付け、子どもとしっかり相談したうえで決めましょう。